一般細菌(雑菌)

一般細菌とは

周囲に存在するありふれた細菌に感染して性器の炎症などを起こすことがあります。性行為などの性的な接触が原因になることもありますが、不衛生な環境、過労などによる免疫力低下などによって生じる場合が多いです。女性の腟、包茎の男性器は湿度と温度といった環境が細菌の増殖に適していることから、一般細菌の感染が起こりやすい部位です。
一般細菌による性器感染では、男性の尿道炎や陰茎包皮炎、女性の膀胱炎や細菌性腟症を起こすことが多いです。

一般細菌による感染と性感染症

性感染症は性行為をはじめとした性的な接触によって感染する疾患の総称です。一般細菌による性器の疾患も性的な接触をきっかけとして生じることはありますが、それ以外の原因で生じることも多いことから、性感染症ではなく「性感染症関連疾患」として捉えられています。

症状が似ている性感染症

一般細菌による感染症は、性感染症のクラミジア、淋菌、トリコモナスやカンジダと共通した症状を起こすことがあります。トリコモナスは原虫によって生じ、カンジダは真菌によって生じます。一般細菌による感染症の原因は細菌であり、この3種類はそれぞれ、抗原虫薬、抗真菌薬、抗生物質と異なる薬を使った治療が必要であることから、検査による鑑別が不可欠です。

感染を繰り返しやすいケースも

一般細菌による感染症は、繰り返し生じるケースが多いです。特に多いのは、女性の細菌性腟症や男性の非特異的陰茎包皮炎ですが、尿道炎の再発を繰り返すこともよくあります。

淋病・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマに感染している

こうした性感染症にかかっていると無症状でも粘膜に細かい傷や炎症があり、そこから一般細菌が簡単に感染してしまう可能性が高くなります。一般細菌の感染を繰り返す場合には定期的に性感染症の検査を受け、感染している場合にはしっかり治すことが重要です。

糖尿病など免疫力が低下する疾患がある

糖尿病など免疫力が低下する病気がある、または免疫抑制剤を使用していると、感染症にかかるリスクが高くなります。一般細菌は感染力が弱いのですが、免疫力が低下していると感染しやすくなります。また、糖尿病では痛みなどの感覚が鈍くなりますので感染に気づかず放置して悪化させてしまうことも少なくありません。免疫力が低下する疾患がある場合には、注意深く生活するよう心がけましょう。

不特定多数との接触が多い

うがいや手洗いが風邪予防に効果的ですが、性器の感染を予防するためには性器に触れる部位の清潔が重要になります。不特定多数との性的な接触が多い場合、衛生ではない手や口、性器との接触を起こす可能性が高くなります。
また、銭湯、サウナ、ジム、プールなど不特定多数の方が裸やそれに近い格好で出入りする環境、タオルの共有などにも注意が必要です。

自然治癒も期待できるとはいえ、治療が必要なケースも

性感染症は自然治癒することはなく、それぞれに合わせた適切な治療が必要ですが、一般細菌による感染症の場合は自然治癒も期待できます。ただし、適した治療を行うことで早く治すことが可能になります。特に何度も再発している場合や、長期間改善が見られない場合、そして強い症状がある場合には、早めに受診して適切な治療を受けるようおすすめします。抗生物質の内服、腟錠や軟膏、クリームなどを使うことで早く治せば、症状によるストレスも解消します。

複数の病原体が同時に感染しているケースも

一般細菌だけでなく、性感染症にも同時にかかっているケースは多いです。一般細菌の治療で使われる抗生物質は比較的マイルドですので、細菌性の性感染症にも感染している場合には効果を得られません。また、原虫のトリコモナスや真菌のカンジダには抗生物質が効かず、それぞれ抗原虫薬や抗真菌薬による治療が必要になります。それぞれの検査を受け、同時感染の有無を確かめるようにしましょう。

無症状であっても治療は必要か

性感染症と異なり、検査で一般細菌が検出された場合でも症状がなければ治療は不要です。

治癒確認も必要ありません

一般細菌による感染症の治療は、症状がなくなることがゴールであり、治癒の有無を確認する検査は必要ありません。ただし、菌の量を確かめる必要がある場合や、菌の消失を確認したいというご希望がある場合には検査を承っていますのでご相談ください。

一般細菌の症状

男性の症状

尿道炎

一般的な尿道炎と同様に、排尿痛、尿道がムズムズする違和感などの症状を起こします。性感染症よりも強い症状を起こすケースが多く、激しい排尿痛や膿を生じる場合もあります。また赤い腫れや白いものが出てくる場合、カンジダとの合併の有無を確かめる必要があります。

女性の症状

不衛生な指や口によって感染する場合が多く、かゆみやおりもの、アンモニアや腐敗した魚のようなアミン臭などの症状を起こすことがあります。

一般細菌の検査

潜伏期間と検査可能時期

検体を採取して確認します。感染機会があった直後から検査が可能です。

男性

  • 尿検査

女性

  • 腟ぬぐい液、尿検査

一般細菌による感染症治療

性別や感染部位に合わせて、内服薬、軟膏やクリーム、腟錠などを用いた治療を行います。

一般細菌感染の予防

セックス、オーラルセックス、アナルセックスなど性的な接触の前には最初から必ずコンドームを正しく装着しましょう。また、性的な接触の前後にはシャワーを浴びて全身を石鹸で丁寧に洗ってください。
また不特定多数が利用する銭湯やサウナ、ジム、プールなどでも衛生を心がけましょう。

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