梅毒

 

 

江戸から昭和初期には不治の病として代表的な性感染症だった梅毒は、抗生物質の登場によって治せる病気になり、患者数が少ない状態が続いていましたが、近年、感染者数は増加を続けており、注意が必要な病気になっています。
梅毒は症状を自覚しない期間が長いので自然に治ったと勘違いして進行・悪化させてしまうことがあります。性器のできものやしこり、赤い発疹に気づいたら速やかに受診してください。
当院は吉祥寺駅から徒歩1分と通院しやすい立地にあり、土曜日・日曜日・祝日も診療を行っていますので、忙しい方でも無理なく検査や治療を受けられます。

梅毒の原因

細菌である梅毒トレポネーマが皮膚や粘膜から体内に入り込み、数時間でリンパ節に達し、血液を介して全身に広がります。梅毒トレポネーマは温度や湿度といった環境変化に弱く、皮膚や粘膜から離れてしまうと感染性を数時間で失って死滅します。

梅毒の症状

梅毒は、時間経過によって現れる症状が変わり、症状の内容によって4期に分けられます。1期と2期の間、2期と3期の間には症状の消える時期もありますが、治ったのではなく潜伏しており、時間が経過すると悪化した症状が現れます。

第1期(3週~)

梅毒 症状感染から3週間程度の潜伏期間があって、3mmから3cm程度のできものが生じます。できものは、梅毒トレポネーマが侵入した性器・肛門・口に生じる赤い腫れであり、硬いコリコリした感触があります。痛みはなく、できものは数週間で消えてしまいます。鼠径部(太腿の付け根)のリンパ節が腫れるなどが生じますが、症状に気付かないケースも多いです。

第2期(3か月~)

梅毒 症状感染から3か月程度経過すると、手のひら・足の裏・顔を含めた全身にピンク色の発疹が現れます。この発疹はその特徴からバラ疹と呼ばれています。感染した梅毒トレポネーマが全身に広がってバラ疹を生じています。痛みやかゆみはありませんが、のどの腫れを感じることがあります。バラ疹は数週間で消えますが、治療せずに放置すると、梅毒トレポネーマは体内に潜伏したままになってしまいます。
現在は、ほとんどのケースで第2期までには治療を受けられる方が多く、第3期まで進行することはまれになっています。

第3期(3年~)

梅毒 症状感染から3年ほどが経過すると後期である第3期に入り、ゴム腫と呼ばれる腫瘍ができます。皮膚、骨、筋肉、内臓にゴム腫が広がっていきます。

第4期(10年~)

梅毒 症状感染から10年が経過すると末期である4期に入り、脳や心臓にも病変ができる可能性があります。全身の臓器や神経が梅毒トレポネーマに侵されて、神経障害、心不全、脳梗塞などの命に関わる重篤な疾患を引き起こすこともあります。

梅毒の感染経路

感染している方との皮膚や粘膜による接触によって細菌が侵入し、感染します。ほとんどの場合は、性行為をはじめとした性的な接触によって感染し、キスでも感染します。またまれですが、食器の共有、輸血などによって感染する可能性もあります。
母体が梅毒に感染している場合には、胎児にも感染して先天梅毒になり、早産や死産、奇形などを生じる可能性があります。

梅毒の検査・診断

潜伏期間と検査可能時期

問診や視診で梅毒が疑われる場合には、血液検査を行って血中の抗体を調べ、感染の有無を確認します。
また、病変がある場合には、患部から組織を採取して培養し、それを調べて感染の有無を確かめることもあります。

STS法 TPHA 結果の解釈 備考
(-) (-) ・梅毒に感染していない
・梅毒感染初期(かなりまれ)
感染初期の可能性がある場合は、2~3週間後の再検査が必要
(+) (-) ・生物学的偽陽性(BFP)
・梅毒感染初期
(+) (+) ・梅毒感染(第1~3期)
・梅毒治療後 抗体保有者
(STS低値が多い)
梅毒感染後に長期経過している場合や、高齢の場合には抗体量が少ないケースも
(-) (+) ・梅毒治療後 抗体保有者
・TP法での偽陽性
・感染後 長期経過したもの

梅毒の治療

ペニシリン系の抗生物質であるサワシリンという飲み薬で治療を行います。症状の状態などによって必要な治療期間が異なります。なお、ペニシリンアレルギーがある場合には他の抗生物質を用いた治療が必要です。
最近は、梅毒の治療薬として開発された持続性ペニシリン製剤のステルイズという注射薬でも治療ができるようになりました。
早期梅毒と呼ばれる梅毒に感染して1年間未満の状態であれば、1回だけ臀部に筋肉注射を行い治療を行います。
ペニシリンによる治療を開始して24時間以内には、細菌が破壊されて起こる反応によって頭痛や発熱といった症状が現れることがあります。一時的に生じる症状であり、ほとんどの場合は1日程度で治まりますが、症状が強い場合には対症療法によって緩和することもあります。

梅毒は自然治癒しません

診察風景梅毒の症状は一時的に消えてしまう期間がありますが、治っているわけではなく、自然治癒することがない病気であり、放置していると進行して重い症状を起こすようになっていきます。
自己判断して治療を中断してしまうと悪化し、治しにくくなりますので、医師の指示を守って治療を続け、検査で体内の細菌の状態を確かめることが重要です。
性行為をはじめ性的な接触で感染しますので、感染が分かったら症状がなくてもパートナーの検査と治療は不可欠です。また、梅毒の治療を終えて菌がなくなっても、再感染を起こす可能性はあります。性行為や性的な接触の際には最初から必ずコンドームを正しく装着して感染リスク低減を心がけましょう。
さらに梅毒に感染している場合、HIVに感染しやすくなる傾向がありますので、HIV検査も必須です。

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